三重大学

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活動概要伊賀サテライト

伊賀における有機農業の実態把握

年間を通して適宜活動 
代表者/大原興太郎

地域貢献活動

活動の概要

伊賀には現在多くの有機農業の団体や個人が集結している。ほとんどは、平成24年に結成された伊賀有機農業推進協議会(伊有協)に加入している。最近の組織的な活動は年に一二回開催されているオーガニックフェスタくらいで、個々に取り組みが行われている。筆者は伊有協の設立に顧問や理事として関与してきた。全国的にも有数の有機農業者が集まっている地域であるにもかかわらず、その歴史や全体を示したものがほとんどない状況なので、夏以降は「ゆうきの里いがとそのルーツ」のテーマで取りまとめを行いつつある。特に大きな影響を与えた存在として、愛農学園農業高等学校や久門太郎兵衛氏、川口由一氏、ヤマギシ会などがあり、関連出版物の読み込みを行い、執筆を始めている。

活動の成果

伊賀地域での組織的な有機農業の始まりは1970年代前半に愛農学園において、農薬の被害に向き合っていた奈良県の梁瀬義亮医師の影響で農薬が不可避であった近代化農業からの転換が起こったことに始まる。国の普及政策では農薬の害を減らすための強毒性農薬の使用禁止などの施策は取られたが、当時は有機農業についての理解は少なく、民間の有志によって進められてきた。河内に生まれ、さまざまな農業活動を行ってきた久門太郎兵衛氏が自家の農業を息子に譲った後、伊賀の白樫に天地農場を拓き、多くの若者に農薬に依存しない農のあり方を示された影響も小さくはなかった。伊有協立ち上げのリーダーであった伊藤伝一氏も大阪から名張へ来られている。伊賀にはユニークな有機農業者を引きつける風土のようなものがあるとしか思えないのであるが、この点の考察は今後の課題である。