三重大学

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活動概要伊勢志摩サテライト

三重県立水産高等学校との高大連携による教育研究活動の実施

平成29年4月~平成30年3月 
代表者/吉松隆夫

市町とのプロジェクト

活動の概要

三重県立水産高等学校との高大連携活動の一環として,アコヤガイ種苗生産に用いられる優良な新規初期餌料(植物プランクトン)の作出と性能評価実験を継続的に実施した。

活動の成果

水産高校校内の飼育施設で実施した実験成果として、下記の内容で三重大学大学院生物資源学研究科紀要に投稿した。

投稿論文名:養生アコヤガイの成長に対する微細藻類の給餌効果(筒井 努 ,小村雄作 ,山本慧史 ,吉松隆夫 )

要約:真珠養殖用に挿核施術されたアコヤガイに対し,陸上飼育槽内で餌料用微細藻類を給餌して飼育し,天然海域で養生される個体との体重増加率,体内の栄養状態について比較を行った。
15日間の養生期間後に,各試験区の体重増加率を測定したところ,陸上水槽内でRhodomonas sp.を与えた試験区で最も高い体重増加率が得られた。一方,同じ飼育条件であってもT. tetratheleを与えられた試験区では体重増加率は低く,天然海域で飼育された養生貝よりも成長率が低い結果が得られた。
飼育試験終了後に各試験区の養生貝についてタンパク質含量,脂肪酸組成分析を行ったところ,両成分ともに天然海域で飼育された養生貝で最も高く,次いでRhodomonas sp.を与えた試験区で高い値が得られた。
本試験より,陸上水槽での養生であっても餌料価値の高い微細藻類を給餌することで,天然海域での養生個体と同等かそれ以上の成長率が得られることが明らかとなった。