三重大学

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活動概要北勢サテライト

地域社会の多様性を促進する日本語教育研究会

年間を通して 
代表者/服部明子

中小企業との共同研究

活動の概要

本研究会は2021年10月に設立した。本研究会における取組の目的は、地域の日本語教育に関する幅広いテーマを取り上げ、講演会およびワークショップ開催を通じ、専門的な知見を、北勢地域の企業や市民等に提供することである。また、日本語教育に関する地域の現状と課題を正確に把握し、実践を行うための研究調査を行う拠点としても位置付ける。これらの目的は、三重県内の外国人就労者数は年々増加しており、将来的には定住・永住など中長期在留の傾向が続くと予想されること、「日本語教育の推進に関する法律(令和元年法律第48号)」、「三重県日本語教育推進計画(令和3年4月1日)」に見られるように、地域に居住する外国人と日本人が、日常の社会生活を安心して円滑に過ごせる環境を整備する必要があることを踏まえたものである。

本研究会では、個々の企業や自治体の取り組みを注視しつつ、関係組織間を結ぶ連携基盤の構築や専門的知識の提供等で地域社会を下支えすることは地方国立大学の重要な使命とし、地域の関連企業および団体と大学との連携を視野に入れた活動を展開する。

活動の成果

2021年度は、講演会とワークショップを2回開催した。

各回の参加者および内容は次の通りである。

1)第1回 参加者:21名

  内容:①講演「日本語教育をひらく:産学連携から地域の多文化共生へ」カシオ計算機株式会社・小川宗之氏

     ②ワークショップ「企業内コミュニケーションと日本語教育」教育学部・服部明子(JSPS科研費18K12425)

2)第2回 参加者:24名

  内容:①講演「ダイバーシティな職場における新しい日本語コミュニケーション能力の目標づくり」㈱デンソー・森島聡氏

     ②ワークショップ「職場で学ぶ・協働で学ぶ ―「みんなのパネル」の作成と活用—」元人文学部・吉田悦子(JSPS科研費18K18506)

令和3年度の活動の主な成果は、以下4点である。

(1)専門的な知見を、北勢地域の企業や市民等に提供することができた。

(2)各回のワークショップは、研究成果を社会に広める活動だけでなく、科研費による助成を受けた研究課題の成果普及の一環としても位置付け、これを円滑に実施することができた。上記に示した2件の科研費は、どちらも調査研究を通じて日本語教育の教材等を開発することを目的とするものであったため、ワークショップでは、これらの教材をパイロット的に使用するとともに参加者にモニター調査等を行ってデータを収集し、それを開発した教材のブラッシュアップに役立てることができた。

(3)潜在的な地域のニーズを把握することができ、今後の活動の取り組みの方向への示唆を得た。

(4)参加者間での活発な意見交流が行われ、連携基盤のネットワーク構築に向けて萌芽を感じられる取り組みとなった。