三重大学

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活動概要伊賀サテライト

LEDを用いた植物栽培に関する共同研究

平成30年4月1日~平成31年3月31日 
代表者/元垣内 敦司

中小企業との共同研究

活動の概要

植物工場は安心で安全な食物を安定供給することが可能なことから植物の生産システムの一つとして注目を集めている。2000年以降LEDの価格が下がり、現在では植物の生育に有効な波長スペクトルを持つ光源を利用できるようになった。植物の生育には波長400-700nmの範囲の光が必要であり、特に、クロロフィルに吸収されやすい赤色光は光合成を促進し、青色光は植物の形態形成に影響があるため、重要である。また、この2色の光量子束密度比(B/R比)は植物種ごとに適した値があると言われている。
 本研究活動では、(株)藤沢建機、三重大学大学院生物資源学研究科との3者による共同研究を行い、光の照射条件(分光放射照度スペクトル、照射時間など)の違いが植物の生育に及ぼす影響についてLED照明を使って栽培実験を行いながら調べると共に、リーフレタスの栽培に適したLED光源を選定するための研究を行ってきた。平成30年度は、苗の生育の効率化を検討するために、有効光量子束密度(PPFD値)及び照射時間と14日目までの苗の生育状況との関係を調べた。

活動の成果

照明器具とリーフレタスの苗の間隔を調整して、PPFD値を180μmol/s/m2(間隔220mm)と220μmol/s/m2(間隔160mm)になるようにして、苗に光を照射する時間を12時間と18時間にして4種類の条件で実験を行い、生体質量、葉面積、葉の高さ、乾物質量について評価を行ったところ、220μmol/s/m2で18時間照射の条件で栽培を行うと、12時間照射に比べ、2~3日ほど早く成長できることが明らかになった。