三重大学

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活動概要伊勢志摩サテライト

世界に誇れる豊饒の海、伊勢志摩の海の水産資源増殖の取り組み

 
代表者/

中小企業との共同研究

活動の概要

三重県の誇るアコヤガイ真珠の高品質化を測るために、真珠の干渉色の改善に取り組んだ。具体的には、干渉色で選抜育種した系統(干渉色赤系統、緑系統)をピース貝として、母貝に挿核し、得られた真珠の評価を行った。

得られた結果の概要として、赤系統のピース貝を使って得られた真珠は緑系統を使って得られた真珠より、1)ピンク色の干渉色を示す真珠が多かった。2)真珠の真珠層の厚さが赤系統を用いた場合、真珠の巻きが優れていた。3)黄色度(実体色)が低かった、という結果が得られた。この研究は若狭大槻真珠(株)、三重県水産研究所と共同で実施されて得られた成果である。これらの成果は、干渉色高度発現真珠作出制御技術の実用化への大きな一歩である

活動の成果

この研究を実施するにあたり、博士後期課程の学生が解析を担当し、学位論文の一部として実施され、その内容は国際誌に分割して4編公表されている。真珠は薄膜状の結晶が積層して形成されている。その一層の厚さはピース貝育種で制御可能なことが明らかになり、ピース貝から外套膜小片(ピース)を切り出して、母貝に挿核することにより、ピンク色の商品価値の高い真珠を効率的に得られることが明らかになった。これらのメカニズムについて詳細を電子顕微鏡観察で明らかにすることができ、国際誌への掲載等学術面で貢献することができた。また、一連の研究は博士後期課程の学生や卒業研究によって達成されたものであり、地域の産業の支援を行うことができる重要な情報を提供しただけではなく、本学の学術面、教育面での活動に大きく貢献した。この研究により学位を取得した学生は三重大学学業優秀学生学長表彰対象者となり、3月の学位記授与式にて受賞した。