三重大学

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活動概要東紀州サテライト

地域振興・健康増進における広葉樹葉発酵茶の抗骨粗鬆症効果の研究

平成29年5月1日~平成30年3月末日 
代表者/西尾昌洋

中小企業との共同研究

活動の概要

 三重県内に植育されているスギやヒノキ等の針葉樹の多くは植替時期に来ている。落葉広葉樹に植替をして,この葉を発酵させ茶に製品化することで,木材を主とする針葉樹とは異なり副収入が期待できる。大台町との共同研究において,落葉広葉樹(イロハモミジ)発酵茶葉を試作し,この茶が抗骨粗鬆症効果を有することが期待された。このことを証明することで地域の生産品として付加価値をつけることが可能であるので,これについて研究を実施する。

活動の成果

 地域資源の活用による健康増進および地域活性化に関わるものであり次のような成果を出した。イロハモミジ発酵茶葉を用いて,飲用を想定し熱水抽出を行い,その成分分析と抗骨粗鬆症効果を検討した。茶葉抽出成分を細胞に添加により,骨形成の主な骨芽細胞への分化が促進するかを検討した。骨芽前駆細胞から骨芽細胞への分化誘導において,イロハモミジ茶葉抽出物は骨芽細胞への分化を促進した。成分分析の結果,複数のフラボノイドが存在を見出し,この成分が抗骨粗鬆症作用を有することも明らかにした。
 大台町あるいは三重県との新規共同研究を締結に向け,共同研究により地域活性化に繋がること,ひいては東紀州サテライトの事業の1つとして事業効果の事例になるものと考えている。また、第64回日本食品科学工学会総会で「イロハモミジ発酵茶の抗骨粗鬆症効果について」を発表した。